Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

なんとも、多謝多謝。

こっちも、翌朝は六時に起床。

市中の秦ノ徐福の墓、浮島など、見学する。

紀南の都市は、例の大震火災で、ここも戦災復興の最中かとまちがわれる。バラック群落、道のわるさ。――ここを蓬莱の国として、不老長生の薬を探しに来たという徐福は、よほどあわて者だったにちがいない。

八時半ごろ。きのうの熊野川の橋畔から、プロペラ船にのって、瀞峡へ向かう。土地の人は「とろ」といわない「どろ峡」という。

ここから先は、土地の人も交えず、本来の一行五人だけになった。嘉治さん、健吉さん、Kさん、Oさん、ぼく。プロペラ船のお客もまばらで、蓙の上に、おのおの、足腰をのばしたせいか、内輪同士のくつろぎに、旅も、きょうあたりから、なんとなく、旅情の子らしい侘しさにとらわれてくる。家郷千里ほどでもないが、熊野川数十キロの水は、どこか、中華の江南にも似て、Kさん、Oさんのジャーナリスト神経も、ここでは居眠るほかはない。

第一、まるで話が聞こえないのだ。初期の郵便飛行機に乗っているくらいなプロペラ音と震動である。そして船は、所々の砂利洲に着き、四、五の人が降り、四、五の人が乗る。