Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

が、それは旅客の感傷にすぎないか。町につく、村をすぎる、部落でも乗り降りする。朝鮮婦人の大きな買物籠を客の頭ごしに渡してやったり、子供を抱き上げたり、車掌嬢も親切、運転手君もじつに明るい。悪路も、人のハンドルによっては、平和に行けることを、二人の労務者が、身をもって描いてゆく。

新宮市は、灯ともしころ。雨の中を約束の速玉神社へ駆けつける。社家の若い方ふたり、古文書、幾種類かを揃えて待っていてくださる。平家繁昌のころの寄進状などに興味のある氏名や文字を見出す。何かと、要項をメモして辞去する。ここには国宝が百点以上もあるので著名だが、やはり鎌倉期以降のものが多いとのこと。

一昨夜泊った旅館のすぐ近所が、今暁、火災で何軒か焼けたという話を車の中でM通信局長から聞く。一晩ちがい。一昨夜だったら椿事百態だったに相違ない。

駅から汽車、勝浦で降りる。越の湯まで歩く。ここも災後の町、宵の雨とぬかるみをたどって、海のにおいを闇に嗅ぐ。ちょっと一渡り、小汽艇に乗り、旅館にはいる。ここは熱海、別府なみ。急に、都会人の遊楽地気分の中にまごまごする。

市長大会といったような大広間空気と廊下の人々を見かける。