Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

帰りがけ嘉治さんと、若い神職が、何やら親しげに話し出した。紹介されて、その神職は、藤本プロのニュー・フェースの角梨枝子の兄さんであると知った。いまの日本の文化人分布のなんというおもしろい対比だろう。ついこの人の神職生活の感想など聞きたく思ったが、先に時間がないらしい。石段をのぼりのぼり数語を交わす。虚子氏の句碑のそばからハイヤーに乗り、なお山上の那智神社と青巌渡寺へ走る。

石段また石段。もうおしまいかと思うとまた石段だ。杖、いよいよ必需品となる。社殿で、奏楽を見る。可憐な緋の袴の舞童女二人に、楽人三名。かすかに古韻がしのばれる。

隣がすぐ青巌渡寺。あまり廂が接しているために、神社と寺とのあいだに、古来から争いがたえないと、たれかが途中で話していた。那智の滝は、神社のだ、いや寺のだ、ということらしい。家元争いに似たようなものか。ぼくはそこで滝に代って、何かいい残したくなった。けれど、神官も僧も、そんな隣づきあいの悪い顔もしていなかったので、黙って別れた。だからぼくの胸の中にわいたことばは、帰りのタクシーの窓から風の中へ捨てて帰った。

われは、天楽を好む自然の一童子