Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate

Aozora Bunko

ぼくにも何か書けとあるままに、

談古翁しばし黙せよ千鳥啼く

とかなんとか、即興の駄句二、三を書いて逃げ出す。暗やみで書いたせいか、後になってから、句もよく思い出せない。

ケーブルの駅の灯が見えて来るまで、山上の東南側の廻遊路を、うねうねと半駆け足で急ぎに急ぐ。

夜空から白いものがちらついてくる。雪花らしい。雪花は四国の名物なのかしら。途中でアベックの二組三組に会う。こっちに、余裕がないのか、ちっとも羨ましくない。

ケーブル、すぐ出る。窓外をセリ上がって行く屋島の崖の松木立を透かして、遠くの地表から迫ってくる高松市の灯の海のきれいさといったらない。なるほど、恋人と語るによいケーブルと、おそまきに感心する。いや、ほんとに感心したのは、このケーブル駅の清潔さと、駅員の親切なことだった。

宿へ帰り着く。七時近い。

NHKの人たち、録音マイクを引っ張りこんで待ちかまえている。昼間、断ったはずだが、どうしても何かしゃべれという。

旅行寸感と、文芸近況をまぜて、十分か十五分ばかりマイクにしゃべる。

隣室に、食事の支度ができていた。マックラウド氏を加え、支局長その他も混み合って、卓をかこむ。