Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
Iさんもここには見える。地方販売網の実務上のことらしく、嘉治さんと熱心な話がつづく。ぼくらには、皆目わからないことだが、行く先々の地方には、かならずこういう人々がいる。そしてそのねばり強い仕事への熱意や苦心に、つい聞き耳をとられては「いや、たいへんなものだなあ」と、あきれたのである。一社という巨木に似た経営の根には、ぼくらの知らない地表下の細根がどれほどかくれているものやらわからない。よく植木屋がいっていた。こう見上げられる大木の幹だけでなく、根の分量は、木丈以上の物が土中に張っているもんですよということを。――すると、またこちら側では、今週の週刊を開いて、Oさん、悟空子、健吉さんなどで、「新・平家」のカットや組み方について、あれこれ、異論と主張まちまちに見うけられる。あっちでは、根に就いて、こっちでは、梢の花に就いて。――そのうちに、酒、おのずから、御飯となる。
お給仕をしている女中頭のお徳さん。ぼくが十三、四年まえ、まだ幼稚だったいまの妻をつれて、この紅葉谷に一週間ほど泊っていたことを、よくもまあ今日まで覚えていたらしい。御飯を盛りながら、ちらちら、口の端に出る。