Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Leggi 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 213.575 caratteri · 424 schermate
これが、再婚説である。もっとも、再婚はしたが、建暦二年の和田合戦のとき後の良人にも子にも別れ、彼女は信濃の故山に帰って、九十幾歳まで生き長らえたということになっている。
幾つもの異説を比較して、その取捨に迷うなどは、ぼくにはさして重要なことではない。ぼくはぼくの脳裡にあるままの巴を書いた。ただ度外できない条件として、あの時代の女性の位置と、義仲の子を産んでいる母性という事実だけが、厳としてあった。
そこで、自分から観ると、多くの古典も郷土史も、すべてみな同様な欠陥を持っている。人もまた怪しみもせず肯定していた。それは何かというと、巴が稀代な勇婦であったことだけを過大に嘆称して、彼女が子の母であったことにはちっとも触れていないことだ。その点、父の義仲も、みじんの父性もない人間に書かれてきた。夫婦共に、鎌倉へ人質として取られている一子の志水冠者義高(十二歳)のことなど、思い出している条もない。戦略のため、わが子を頼朝へ渡しておきながら、生みっ放し、人手に渡しっ放しの、無情な両親になっているのである。
いかに郷土史が義仲を偉大に書いても、古典の筆が巴を美しい勇婦に描写しても、これでは人間の親ではない。