후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
本人のキスはすこしも姿を見せない。病気らしいという評判が立って、近処の人は心配になって来た。申合わせて戸を叩くと、蒼褪めて弱々しいベラ・キスが、寝巻の上に何か引っかけて出てくる。病気で寝ていたというのだ。一人では仕様がないから、面倒を見る者を寄こそう。医者も呼ばなくては――近処の連中がそう言うと、
「私は生きていたって死んだって、同じようなものです。今でも半分死んだも同然ですからねえ。あれに行かれて、何のために生きて往くのか、もう目的がありません」
意気地のないことを言って、四十男が女学生のようにセンチメンタルになっている。大勢で慰さめて、要らないというのに無理に医師を呼んだ。カルマンという日雇いのようなことをしている老婆をつけて看護させることにする。
当時のキスの愁嘆振りは狂気じみていた。一室に、逃げた細君ノルマの、残して行った着物やら靴やらを飾って、そこへは Kalman 婆さんも決して入れない。お婆さんは薄気味悪い思いをしながら、三週間ほど親切に介抱した。病気は段だん快くなって、カルマンも暇を取り、キスは元の一人ぽっちの生活に返る。
ブダペストへもちょいちょい出掛けるようになった。