일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

突如往手に、白い高いものが闇黒に浮く。直ぐ近いところである。氷山だ。船中の警戒の鈴が鳴り響いて、命令の声々が慌しく飛び交す。機関の音が調子を低めた。船は急ぎ進路をかえて――と、その時、右舷の叱水線下に、ずずずずずんと重く鈍い、引っ掻くような衝激が伝わった。この一接触で、タイタニックは既に、横に長く船腹の鉄板を裂かれて致命傷を受けたのである。

が、その瞬間の震動は、決して激しいものではなかった。大部分の人は、知らずに眠っていた。眼を覚ました連中は、ドレッシング・ガウンを引っ掛けて甲板へ出て見た。船は停まっている。甲板では、皆わいわい冗談を言い合って、誰も何の恐怖も感じなかった。若しこの時早くも最悪の場合を予想し得た人があったとすれば、それはスミス船長と二、三の高級船員だけだったろう。

甲板の廊下に水が見えて来た。

「救命帯をお着け下さい! 救命帯をお着け下さい! 大至急救命帯を着けて甲板の所定の場処へお集まり下さい!」

船員たちが大声に呼ばわって駈け廻っている。人々の顔は一度に白くなった。顫える指でライフ・ベルトをつけて、各自定められた甲板の位置に並ぶ。