후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
が、何しろ、非道い寒さだった。二、三日来急に気温が下ったのだが、特に今日は骨を抉るような寒気だ。
多くの船客は、寒暖計の水銀が面白い程収縮して往くのには気がついても、この、こうして急激に酷寒が襲って来た理由を知っているのは、前に同じ季節に大西洋を渡った経験を有つ極く少数の人だった。
――何処か遠くないところに氷山が流れている。
同日午後十一時三十分、タイタニック号の附近を航行しつつあった米国貨物船キャリフォルニアン号の唯一の無電技師セリル・エヴァンス―― Cyril Evans ――は、朝の七時から無電台に据わり切りなので疲労を感じ、掻なぐり捨てるように聴取器を外して寝台に潜り込むと、直ぐ丸太のように前後不覚に熟睡し出した。
これに先立って午後六時二十分頃である、そのキャリフォルニアン号の船橋に立っていた当番の二等運転士ジョナサン・ケリイは、海の白象の如く緩やかな歩調で近づいて来る一大氷山を認めて、早速無電技師エヴァンスに命じて他の通行船へ其の旨警報を発せしめた。
「前方近距離に氷山現る。警戒を要す」
エヴァンスは懸命に、指先に火花を散らしてこの信号を打ち続けた。