후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
不注意なようだが、これが一番安全な携帯法で、彼は寝る間も洋服を脱がなかった。つまりダイヤモンドと、文字通り起居を緒にしていた訳である。
部屋は、表三階の十四号室、二つの窓がロウモン街の往来を見下ろしている、広い、小綺麗な寝室だった。ブルウス・テイラアは仏蘭西語を話さないので、あまり外出もしない。秋の巴里は重く曇って、ともすれば黒い雨が通り過ぎる。テイラアは毎日喫煙室の隅に腰掛けて、ホテルの主人の和蘭人ミニィル・ヴァン・デル・ヴェルドを相手に、南阿弗利加の和蘭岬のことなどを、和蘭語まじりの英語で話し込んでいた。ヴァン・デル・ヴェルドは、一体無口な男だったが、このブルウス・テイラアとは、性が合うとみえて、珍らしく饒舌だった。テイラアは、身につけている宝石のコレクションをよく取り出しては、魅了されたヴァン・デル・ヴェルドの眼の前に並べて見せたりしていた。この、ホテル・アムステルダムの主人も、以前は宝石商人で、殊にダイヤモンドには深い興味と経験を有っているのだった。
前の晩、テイラアは早く寝に就いた。丁度その時三階には、その十四号室のテイラアのほかに客はなかった。