후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
甲板や船窓の列なりに、幾段もの灯の線が上下に重なっています。まだ音楽が聞えていました。船首を先に一デッキずつ水に呑まれる毎に、上から順に、ゆっくりと灯の列が消えて行きます。電燈の点った窓が水に接する時は光を溶かした波が遠くまで繊細に揺れて、あの場合ですけれど、凄絶な美観でした。最初の恐しい爆発が起ったのはその時です。轟音と同時に一時に灯が消えて、真紅と金色の閃光が立ち昇りました。すると、その直ぐ後、そこらの海全体を覆い尽して人々の叫びです。呻きです。私はあんな恐しい人間の声を聞いたことがありません。暗い海一面に、高く、低く、細く、鋭く、何とも形容のできない人の声なのです。第二の爆破が続きました。それからまた海から湧き起る恐しい唸り声――随分長く聞えていました。今だに、あの大勢の声を想い出すと、地の底から足首を掴まれて引き込まれるような気がします」
静かに、堂々と、タイタニックは沈んだ。沈みながら、厳粛な楽の音と甲板の上の人々の合唱が水面から響いていた。
「Nearer, My God, to thee.
Nearer to thee.
主よ、御許に近づかん――」