후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
波止場の突端にテュウトニック号というのが繋がれていた。その傍を通過する時、又同じような騒ぎを繰り返している。タイタニックは最徐行していたにも拘わらず、テュウトニック号はその強力に吸い寄せられて、繋維索は造作もなく伸び切り、船体は今にも水を潜りそうに傾いたのだ。が、結局、今度も何事もなく、タイタニックは其の儘サザンプトンの港外へ船首を向ける。
処女航海の船出に、こうして二度までも冷やひやさせられたので、乗組員の中には、不吉な予感――と迄のものではなくても、何となく気を腐らせた者もあったが、由来船乗りは迷信家揃いである。船客としては、出帆後間もなく鳥渡冒険的な、面白い場面を見せられた位いのところで、却って上々機嫌だった。
好晴である。紺碧の水と空。城郭のような巨船の処女航海だ。スピットヘッドの岬を交すと一望の大西洋。冬の終り、春の初めの爽かな微風が海面を撫でて来る。自信に満ちみちた機関の唸り、鴎の羽音――サザンプトン紐育間を一直線に結びつけて、従来の所要日数を短縮しようとするタイタニック号の初航海である。これだけでも素晴らしいセンセイションである。