후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
俺は今休みなんだ。邪魔しないで寝かして呉れ」
その儘エヴァンスは、グロウヴスが何と訊いても、返辞の代りに鼾を聞かせて再び寝入って終った。
グロウヴスは、諦めた。全く、考えてみると、休む可く権利づけられている時間に休んでいるエヴァンスを、そんなに大騒ぎして起すようなものは始めからないのである。
「おい、おい、若いの。何を一人で魔誤付いているんだ」
グロウヴスは、そう自分を嘲って苦笑しなければならなかった。
この通り、彼は確かに一度エヴァンスを起したのだが、起し方が足らなかった。斯うして、又もやそれ程近く迄伸びて来掛った救いの手が外れて、タイタニック号の人々は、よくよく其の夜の冷たい水に溺死す可き運命に決められていたのだろう。
だが、それでもグロウヴスは、何となく心残りでならなかった。で、無電室を出がけに、現実に、其処に投げ出してあったエヴァンスの聴取器を取って耳に当てがってみたのだが、彼は素人だけに、その機械は、傍らの磁気有線検電機――これは時計式の旋弾仕掛けになっている――を巻かなければ聞えないのであることを識らなかった。
何も聞えないから、グロウヴスはやっと安心して立ち去る。