일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

7

ない。

この、巴里・ベレエル間の汽車中の出来事は、すっかりテレサ・ウンベルトの作りごとだったのだ。ロバアト・ヘンリイ・クロウフォウドなどという人間は、市伽古は勿論、はじめから何処にも存在しないのである。

二年経った。テレサ・ウンベルトは、この「小説的な汽車中の握手」など、何時の間にか綺麗に忘れていたという。すると或る日、紐育の弁護士から、巴里のテレサの許に一通の分厚な書状が届いた。開けてみると、老クロウフォウドの遺書の写しで、いつか約束のとおり、英貨八万磅の財産をあなたに遺して逝くから受納してくれというのだった――と、兎に角、そうテレサは、言い触らさないように巧みにいいふらしたのだ。

八万磅というのが、当初の額だった。が、それが、人の口を通してゴシップに運ばれているうちに、この夢物語のような「クロウフォウドの黄金」は、間もなく物凄い高に上って、やがて百万磅、次に四百万磅とまで取り沙汰されるに到った。

7

こうして鰻のぼりに噂されたウンベルトの財産は、その後二十年のあいだ全巴里を瞞着して、当時の仏蘭西人はみんな、ウンベルト夫人は法律上の必要な手続きとその条件を満足させさえすれば、早晩それだけの金額を受け継ぐものと信じ切って、この天下の幸運児である夫人にひとしく羨望の眼を向けたものだ。