일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

左右から挾むようにしてウオロウル氏夫妻が何を訊いても、勿論英語は頭でわからないのだから、女は、ただ首を振って微笑うだけだ。そして時どき例の不可解な国語で何ごとか一生懸命に陳じようとするのだ。よくよく事情ありげである。可哀そうでもあり、見ていると仲なか愛嬌がある。それに上品なのだ。ウオロウル夫人はすっかりこの印度女が気に入って、

「女ひとりで、こんなに遠く故国を出て放浪するなんて、ほんとに何んなに心細いでしょう――言葉も判らないところでねえ」

心から同情を寄せる。

ウオロウル家の希臘人の下僕というのが、ここぞとばかり通弁に立とうとしたが、これもさっぱり役に立たない。女の言うことはすこしも判らないし、希臘人が、得意の五、六個国語を片っ端から振廻しても、一つとして女には、一向通じないのだ。ぽかんとしている。しまいには両方とも呆れて、顔を見合って笑うだけだ。これで当面の唯一の望みも切れて、矢張り元の手真似足真似の万国語へ返る。唖者の問答である。ウオロウル夫妻をはじめ一同女を取りまいて、それぞれ知慧を絞って珍妙な手つきをする。脚を叩いて顔をしかめるやら、遠くを指さして疲れた恰好で歩いて見せるやら、あらゆる姿態と表情を示して、贅をつくしたウオロウル家の応接間に、これはまるで舞踏性噪狂患者の寄合いだ。