후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
食卓でル・キュウは、古くからの相識であるゾラ夫人と並んだ。エミル・ゾラの夫人だ。ゾラが晩年に近い頃だから、――ゾラの死んだのは一九〇二年――この話しはそんなに古いことではない。一九〇〇年の八月だった。
すると、ル・キュウの右側に、一人着飾り過ぎた、肥った婦人が坐っていて、何やかやとル・キュウに話しかけたのだが、正式に紹介されたわけではないし、それに、あまり人好きのするタイプでもなかったので、彼は、食事の合間に、いい加減に応対していた。その婦人は、何方かと言えば余り教養のない、智的でない人のようにル・キュウは観察した。言葉に田舎訛りがあった。のみならず、その田舎訛りの会話の到るところに、盛んに巴里人の通語を挟んで振り廻していた。妙にちぐはぐな効果だった。
ゾラ夫人が、ル・キュウを越してその婦人に言った。
「まだこの方御紹介申し上げませんでしたわね。ウイリアム・ル・キュウさんです。宅のお友達ですの。矢張り作家の方でいらっしゃいます」
夫人は、良人のエミル・ゾラのことを言うとき「愛するエミル」という言葉を使った。
ル・キュウに対する婦人の態度は、忽ち変った。