후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
ので、そのままになっていた。
午前十一時三十分になった。もうドロシイの帰って来なければならない頃である。シュナイダア夫人は、表に面した窓に立って、今にもドロシイの笑顔が街角に現れるであろうと、ディクシイ国道のほうを凝視めていた。するとそのとき、一台の自動車が、国道を走って来てちょっと停まるのが見えた。立樹の影を縫って過ぎたので、その自動車はぼやけて映ったが、確かに一度停止して、側面の扉が開いて直ぐまた閉まった音を聞いた。兎に角、そんな印象を受けて、シュナイダア夫人はドロシイが途中で誰か近処の人の自動車にでも乗せて貰って帰って来たのだろうと思ったが、その儘自動車は再び南へ走って、ロレイン街から四分の一哩程隔たったスタンレイ街道へ出ると、西を指して疾駆し去った。誰も降りた様子もないし、いくら待ってみても、国道から曲って来る人影もないので、夫人は病児 Kenneth のところへ帰って、看病に気を取られるまま二十分余り経った。正午である。それでもドロシイの姿が見えない。真剣な憂慮が夫人の上に来た。十二時に一応念のため学校へ訊き合わせると、生徒監 Mr. B. B. Fox が電話線の向うへ出て、幼稚部のドロシイ・シュナイダアは正十一時に校門を出て帰路に就いたと告げた。