후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
頭部の周囲に掛っていた綱が、洋傘に払われて、帽子と一緒につるりと除れたのでした。何か男が叫んだようでしたが、其の声を背後に聞いて、私は転がるように丘を駈け降りていました。樹の根に躓いたり茨に引掻かれたり濠へ落ちて這いずり上ったり、靴も洋傘も何処かへ飛んで終いましたが、恐怖に追われて走り続けました。男の跫音が迫って来て、冗談だよというのが一言聞えたようでした。左側の雑木林の上に大きな月が出ていたことを記憶えています。その光りで、野原の向うに白い建物が見えました。一散に駈けて踏切りを越えると、往手に灯の集団が浮かんでいます。バランの村です。ほっとした私は、死んだようになって最初の家の戸を叩いていました。
これで警察もやっと緊張する。間もなく眼を付けたのが、近くのドュモラル村の一軒の茅屋。聞込みが上ったのだ。その家の主人と言うのが、頻りに夜歩きをする。変な時刻に、密々出たり這入ったりする。加之にお神さんという女が大変怖らしい人物――全く本書の頭巻に載せた写真を見てもこれ以上怖らしい小母さんは鳥渡あるまい――その上恐ろしく交際嫌いだとのこと。ドュモラル一家である。