후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
静かな一夜が明けて、八日の朝である。「大陸の朝飯」といって、朝は珈琲と巻麺麭にきまっている。いつもの時間に給仕人のポウルが、それをテイラアの部屋へ持って行ったのだが、呼んでも叩いても応答がないので、前に言ったように帳場へ下りて女将セレスティンを呼んで来て、発見するに至ったのだ。
ホテル・アムステルダムは、旧式な建物だった。万事古風に出来ていた。壁に、巌丈な鉄の鉤が打ち込んであって、それに重い窓掛を通す鉄棒がかかっている。ブルウス・テイラアは、カアテンを片寄せる強い組紐で首を吊って、その鉤からぶら下がって死んでいた。顔が、別人のように青くふくれて、無機物の眼を大きく見開いて寝台のある反対側の壁へ、かっと、見えない凝視を投げつけていた。それは、恐しい形相だった。何ごとか名状出来ない恐怖とショックが原因で縊死したことを示していて、こんなことには慣れている筈のモウパア警部さえ思わず顔を外向けた程だった。が、自殺であることは疑いを容れない。しかも、死にたい衝動、或いは、死ななければならない理由が何んなに強かったか――その証拠に、テイラアはきちんと膝を折り、足首を腿へ縛りつけて、足が床へ着かないように注意して吊り下がっているのだ。