후리가나로 읽는 일본 고전
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
正岡 容의 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,226자 · 295화면
いま今松が困りに困って己を失ったとき、たまたま落語家になりたてのホヤホヤに覚えた小噺「波平行安」をしゃべり出したということも、まさに「お母さん」と呼ぶその心持ちに近かったかもしれない。
しかも、この「波平行安」。
さんざんの不出来だった。
しどろもどろ。不出来にもなんにも、てんで形にもなんにもなっていなかった。
第一、お客様の姿が初めて高座へ上がった晩のよう、モヤモヤとしていてよく見えなかった。
そのモヤモヤひと色の真っただなかに、あの鬚もじゃの仁王様の姿ばかりが、まるで大空高くそびえ立つ浅草蔵前の大人形の大仏様のように消えたり、現れたり、また消えたりしていた。
なにをしゃべったかわからないままに、やっとのことに落だけつけると、ろくすっぽお辞儀もしないでそのまま楽屋へ飛び下りてきた。
「ア、御苦労さま」
こう左鶴に声を掛けられて、はじめて今松はきまりの悪いものを感じた。いやだ、我ながらいやな出来だった、ブルブルと今松は身慄いした。
「ナ、なんだってオイお前、満足に噺をやらねえんだ」
意外や、耳もとで師匠の声が起こった。
またギョッと今松は振り返った。