후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
この一間に仏壇があることは、お銀様も前から知っていました。けれども、この花は仏に捧げようと思って摘んで来た花ではありません。ところが、持余し気味になってみると、そこがこの花の自然の納まり場所であるらしい。
お銀様はその一花二葉の椿を持って、仏壇の扉をあけた時に、まだそんなに古くはない白木の位牌がたった一つだけ、薄暗いところに安置されてあるのを見ました。位牌が古くないだけにその文字も、骨を折らずに読むことができます。
「悪女大姉」
と読んでお銀様は、手に持っていた椿の花を取落しました。
「悪女大姉」の戒名は、尋常の戒名ではありません。
不貞の女をもなお且つ貞女にし、不孝の子をもなお孝子として、彼方の世界へ送るのが人情でもあり、回向でもあるべきに、これはあまりに執念の残る戒名であります。
何の怨みあってその近親の人が、この位牌を祀るのだかその気が知れないと思いました。また何の意趣があって、引導の坊さんがこの戒名を択んだのだか、その気も知れないと思いました。
それがお銀様にとっては、単に文字の示す悪い意味の不快な感じだけでは留まりませんでした。悪女! お銀様はむらむらとして、ここにまで自分を見せつけられる憤りから忍ぶことができないもののようです。