후리가나로 읽는 일본 고전
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
菊池 寛의 貞操問答(ていそうもんどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,240자 · 399화면
朝は、夜の間にわれ知らず流した涙がにじみ拡がって頬をぬらしているのだった。
今朝は、部屋の中が暗く、いつものように暑くなかった。美和子は、心地よさそうに眠っている。起きて、窓から見ると、雨である。サツサツと横なぐりの夏の雨である。八月とは思えぬほど冷たかった。
新子は、今日は準之助氏に電話をかけようと決心した。姉の問題もあるが、しかし、今よるべき一縷の糸もない新子のよりどころない心の寂しさが、そう決心させたのかもしれない。
十時頃、近所の酒屋から電話をかけると、
「新子さんですか、僕は、もう会って下さらないものだとあきらめて、明日は東京を離れようかと、思っていたところです……」せわしない興奮した声が、新子を何となく微笑ました。
正午、昭和通りのレストゥラントAで、会おうという約束で、電話が切れた。
家へ帰って、久しぶりでどことなく、ふくらみを持った気持で、鏡台に向うと、新子はまた一層気持が改まった。
姉妹とは背き合い、美沢までも情けなくも自分を見棄て去った現在……彼女は、鏡に向って己の顔を眺めていると、この頼りない自分の姿を、そのまま見せてもいい相手は、前川一人のような気がした。