일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

の音ぐらいにしか聞いていなかった。

エヴァンスさえもう十分起きていたら、タイタニックの人はみんな助かったのである。

が、宵の口に彼は、タイタニック号のフィリップスと無電で喧嘩をしている。

「引っ込め! Keep out!」

「宜し! 勝手にしろ! All right, have it your own way!」

折角親切に、近くに氷山が漂っていることを報せてやろうとするのに、皆まで聞かずに呶鳴りつけられたので、エヴァンスも癪に触っている。何でえ、勝手にしやがれとばかり、寝て終ったのだ。タイタニックの必死のSOSの電波が、音のない悲叫のように充満した無電室で、エヴァンスは朝まで好い気持ちに眠った。

キャリフォルニアン号は、貨物船である。無電技師はエヴァンス一人きりで、彼が寝ている間、同船は聾なのである。

春の初め、北極洋の氷帯に罅が入って、島のような大きな氷原が、その氷の大陸を離れて南へ泳ぎ出す。

毎年のことである。

峨々たる白氷の高山が、暖潮に乗って遠く、欧米二大陸を繋ぐ主要航路附近にまで南下して来るのだ。そして、南風に当たり、陽を溶かした水に削られて形の無くなるところまで、これらの氷山は巨大な群棲動物のような、或いは白亜の多島海のような偉観を呈して浮游する。