후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
若い頃から独りで倹約く暮らして来たマッキンタイア教授は、俸給の貯蓄に退職手当が加わって、鳥渡した金額に達しているのである。
先ず、広告にある「相当以上の資財ある紳士」という条件に該当する――。
と老教授は思った。
インデアナ州なら、ミシガンの直ぐ南で、このデトロイト市からさして遠くもない。広告で見ると、可成りちゃんとした生活をしている寡婦が、色んな事情から、残余の人生の同伴者を需めている真面目な態度が頷首かれるのだ。よほど高い理想で、それに合致する候補者が鳥渡見つからないところから、困り抜いた揚句、それでは、広く天下に隠れたる士を求めようとなって此の広告を出したものであろう――そう考えると教授は、われこそはと妙な進出的な慾望が沸き起るのを感じて、同時に、忘れ果てていた若い血潮が、微かな興奮をもって枯れかけた心臓を打つ。
インデアナの田園――土のにおい――乾草を濡らす細雨――陽に霞む果樹畑――食事の仕度が出来たと花の中から笑顔を見せて呼んでいる「妻」――読みかけの書物の頁に落葉を挾んで木蔭の吊床から起ち上る自分――教授の老いたこころに、はじめて来た家庭生活への憧憬だ。