후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
車上の二人は、上機嫌である。何か熱心に話し合って行く。活発な会話――どっちかが冗談でも言う度びに、愉快そうな大きな笑い声だ。
「ほんとに、よくいらっしゃいましたこと。随分お待ちしましたわ」
「いやあ、何うも。そんなに仰言られると、実に困るです。何だか、自分の家へ帰って来たような気がして、もう動きたくなくなるです」
「あら、それでは不可ませんの? 何故でしょう?――ここほんとにあなたのお家なんですわ。あたくし、あなたがお帰りになるまで、一時お預かりしていただけですの」
「や、じつに何うも、奥さんは口が巧いんで――」
「動きたくなくなるって今おっしゃったわね。いいわ。そのおことばお忘れになったら承知しないから――動こうたって動かさないことよ」
「実に何うも、恐縮です。しかし、好い景色ですなあ」
「市俄古と何方がお好き?」
「較べものにならんです」
「これみんなあなたの有よ。芝生も果樹も家畜も、むこうの建物も、それから、この、あたしも――」
そういってベル・ガンネス夫人は、到頭思い切って言って終ったというように、両手で顔を隠した――ぐらいの狂言はして見せたろう。
ぽかんと夢をみているような気持ちで、アンドルウ・ヘルグラインは邸へ案内される。