일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면

아오조라 문고

十時頃だった。

その朝同時に、The Dei Gratia 号は、西印度へ進路を向けている一隻の独逸貨物船にも逢って、両船は海上遙かに挨拶を交しているが、この二つの船の乗組員が、その時、両船の間へ割り込むように進んで来た其の二本マストの大型帆船を望見すると、船そのものには、別に異常は認められない。綺麗な新しい船体で、損傷等も何ら見られないに係らず、ながめているうちに、何うも様子が変だということになった。まるで千鳥足と言った具合に、始終進路を離れて、風向などにも頓着なく、見ている内に、総帆がだらりと下ったり、横ちょに風を受けて傾いたり、後退りしている。で海は静かで、風の具合も申分ないのだから、この出鱈目な大型帆船の行動は、忽ちデ・グラシア号と独逸汽船の注意を惹くに充分だった。誰も運転している者がないのか、さもなければ酔漢が舵を取っているようにしか見えない。両船とも信号を発してみたが、帆船からは何の応答もないので、独逸汽船は其の儘水平線の向うへ消えて終う。が、多分に好奇心を唆られたデ・グラシア号は、不安定な相手の動きに注意して衝突しないように徐々に近づきながら、ボイス船長とアダムス運転士が望遠鏡を採って見ると、帆船は、確かに只事ではない。