후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
眼は闇黒に慣れていないし、うしろに灯を背負っている。はじめはちょっと何も見えなかった。
すると、訪問者は、いくら叩戸しても応答がないので、諦めて、一度往来へ出たものらしい。戸が開いたのを見て引っ返してくる様子だ。さやさやと微かな衣擦れの音が、闇黒の奥から近づいてくる。
――おや、女のようだが、どこか知っている家の人かしら? と、思った時、暗いなかから浮かぶように光線の範囲へ踏み込んで来たのを見ると、何とも言いようのない異装の人物である。
おかみさんは、無意識に、消魂しい声を上げていた。
食堂に居残って耳を立てていたホルトンと娘達は、その大声で、がちゃりとフォウクを置いて突っ立った。
「あら、誰か来て下さいよ、早く!」
ホルトンは押っ取り刀というところだ。狼狽てふためいて玄関へ駈出した。娘たちも怖ごわ父の踵を踏んで、おもて口を覗きにくる。
母と向かい合って、奇妙な人間が立っている。
第一印象が、扮装のまま東洋劇の舞台面から脱け出てきたという感じだった。
女である。若い女だ。黒の絹に金で刺繍をした印度風の緩やかな着物を纒って、髪に金貨を飾り、革草鞋を穿いている。