후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
ホテル・アムステルダムの主人公となってからは、マダムにばかり働かせて、すっかり好い気持ちに納まり返ってしまった。懶け癖がついて、日長一日のろのろしている。帳場わきの客間の椅子に、重い腰を下ろして、朝から晩まで、黒い細長い葉巻を吹かしている。安葡萄酒の壜を引きつけて、魚が水を飲むように、あおり続けている。結婚後、まるで人が変ったようだ。一日に一度、巴里の最高級商店街であるルュウ・ドュ・ラ・ペェへ出掛けて、そこのキャルティエだのブッシュロンだのの大宝石商の飾り窓に並んでいる素晴らしい金剛石を、物欲しそうに覗いて来るのを私かに唯一の楽しみにしているだけで、ホテルにいる時は何時も苦虫を噛み潰したような顔を据えて、無愛想に構え込んでいる。が、それにも係らずホテルは数年の間、先代当時の繁昌を保持して来たのだが――俄かにここに、「自殺ホテル」などと有難くない評判を取ることとなった。
この、「ロウモン街オテル・ダムステルダムの自殺室」なる事件の記録は、一九〇七・八年の巴里版 Chronique des Taibunaux ―― Compte rendu des proces en Correctionelle に詳しく出ている。