후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
それ位だから、ハナ夫妻は、悦んで青年を同車させた。
「歩いちゃ大変ですね」
ハナ氏が言うと、青年は、感謝に満ちて恐縮した。色の褪せた赤いスエタを着て、灰色の鳥打帽をかぶった、三十前後の愛想のいい男だった。この辺の農家を、次ぎからつぎと雇われて歩いている、田園の渡り者に相違ないとハナ氏は思った。青年は、円い眼を快活に動かして、始終にこにこしていた。よく饒舌った。
「仕事がなくて困って、ウイニペグへ出るところなんです。町では、何でもして、働く心算です」
青年は、そんなことを言って、屈託なさそうに笑った。
ウイニペグ市の中央で、彼は厚く礼を述べて自動車を下りた。やがて、メイン街二八二番の、ジャコブ・ガアバアという古着屋の店頭に、その青年が現れた。其処で彼は、身に着けた一切の衣類を売り払って、その代りに「紺の両前の背広の、片側の釦鈕が取れた上着と、黒帯に青い細縞のある洋袴」を買った。直ぐにそれを着て店を出た。靴まで取り更えていた。残して行った靴は、「今まで石灰工場にでも働いていたかのように」、乾き切って真っ白な靴だった。
スミス街一三三番地に、キャザリン・ヒル夫人―― Mrs. Catherine Hill, 133 Smith Street ――という中年の婦人が、素人下宿を営んでいた。