후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
このシュヴリエ印の帽子に関しては、ウイニペグの警察から、近接地の古着古物商全部に警戒の通牒が発してあったので、フェイジスは直ちに、その客を怪しいと思った。
「まだ新しい、好い帽子じゃあありませんか。何うして取り換えるんです」
「飽きたから。それに、似合わないし――」
「そうですか。それじゃあ何れでもこの中から気に入ったのを選んで下さい」
フェイジスは、客の前に、古帽子を山のように取り出した。「彼」は、落付き払って、あれこれと被ってみたりしていた。
「もし其のなかに宜いのがなければ」、フェイジスが言った。
「奥から、もっと持って来ます」
店主は、何気なく装って奥へ這入って、そっと警察へ電話を掛けたのだが、急いで店へ引っ返してみると、客は既に立ち去ったあとだった。「彼」は、フェイジスの態度に不安を感じて、帽子をその儘にして逃げ出したのである。
が、わざと遠くへは走らなかった。直ぐ近処のフレッド・イングランドという宝石商の店へ這入って、そこで、パタスン夫人の結婚指輪を三弗五十仙で売り飛ばしている。
フェイジスの店でのことは、「彼」を愕かすに充分だったらしい。ロウ夫人の家に荷物を残して、「彼」