후리가나로 읽는 일본 고전
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
牧 逸馬의 世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 251,305자 · 498화면
のように国内の疲弊困憊を意識して、公安の樹立に向って即時第二の開戦を余儀なくされたと言っていい。その最も惨状を呈したのが、戦敗国の独逸だったことは勿論である。物資の欠乏は全国を刷いて、洪水のような避難民の大群は蝗虫が襲来したように視野に入る凡べての物を食い尽し、食糧の切符制度など、此の急場に際しては焼石に水だ。都鄙を通じて、現実に飢餓に迫っていた。この時に当って、フリッツ・ハアルマンの「商品」が、何らの疑問を受ける暇もなく、それ所か、市民の歓迎と感謝の下に、吸われるように捌けて往ったに不思議はない。
警察は無力だった。戦争によって人員と能率に大打撃を受けている。しかも、その覚束ない警察力で、戦前の穏良な、固定的な市民群に対してと同じように、この過渡時代の旋渦を抑えようと言うのだから、初めから出来ない相談に決まっている。実に当時のハノウヴァ市の公序を保って往く為には、その三倍の警察力を必要としたと言われている。斯かる致命的に不可能な状態だったから、当局は好い加減に、そして形式的に警察事務を管掌していたに過ぎない。暗黒、恐怖の無政府状態が、完全にハノウヴァ市を包み去っていた。