후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 264,133자 · 524화면
「主人の内密の使でよんどころなく……こんなに遅くなりました」
「はて、そうしてどこへ行かっしゃるのじゃ」
「それは……御城内の神尾主膳様のお屋敷まで」
お銀様は、ここで二つのこしらえごとを言ってしまいました。自分がお君の名を仮りたことと、神尾主膳の屋敷を行先のように出鱈目に言ってしまったことです。
「神尾主膳殿へ?」
と言って辻番は、ややけねんを持つように、お銀様を見廻していたが、
「よろしい、通らっしゃい。しかし、このごろは市中が物騒でござることをそなたはまだ知らぬと見えるな。物騒というのはほかではない、よく人が斬られる、辻斬が流行るから宵のうちさえ人の通りは甚だ少ない、知らぬこととはいえこの深夜、一人で、まして女の身で、このあたりを歩くというは危険千万じゃ」
「有難うございます」
辻番に通らっしゃいと言われたから、お銀様はそこを通り過ぎてしまうと、飯田新町の通りであります。
いま、辻番から言われたこともお銀様は、もう忘れてしまいました。甲府のこのごろの物騒なことも有野村あたりまで聞えていないのではなかったけれど、お銀様の耳へはそれがまだ入っていませんでした。