후리가나로 읽는 일본 고전
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くうちゅうせいふく
空中征服
賀川 豊彦
賀川 豊彦의 空中征服(くうちゅうせいふく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,687자 · 215화면
松江さんは、長らくメリヤス会社の職工であったが、煙の都の空気が悪いのでついに肺病となり、もう二ヶ月以上も臥ていた。済生会に行くのも恥しいし、町の医者に診察してもらっていた。しかし恐ろしくたくさんの薬代がかさむので所持品を全部質入し、ただ自分と親とが着て寝る蒲団だけを残していた。その後また薬代四十円も借りたので、医者さんはもう往診に来ないと言うたのであった。その晩はちょうど、脈も悪くなるし、気が遠くなったので、医者さんに来てもらうことにしたが、さて気にかかるのは、医者さんに借りた薬代である。
父親は自分の着て寝る蒲団と、娘の敷いている蒲団を一枚減らして質屋に持って行き、それで、ようやく、薬代の四分の一だけを作ったが、食塩注射を一本してもらいたいと言うと「一本五円だから、それを承知の上で」と言う。
娘は「どうか生命だけ助けてくれ」と頼んで、ようやく食塩注射だけはしてもらったが、医者の帰った後に父親と娘が抱き合って、泣いていた。その声が隣に寝ている市長に聞えたのである。
賀川市長は、娘から話の一分始終を聞かされて泣いた。そして、明日はどうにかすると約束した。