일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くうちゅうせいふく

空中征服

賀川 豊彦

賀川 豊彦의 空中征服(くうちゅうせいふく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,687자 · 215화면

아오조라 문고

否、彼は二畳敷を御殿の大広間のごとく考えて、室内旅行の夢を見ていたのである。

北の隅が松島で、南の隅が別府、東が中禅寺湖で、西は瀬戸内海の因の島付近である。

彼は寝ながら、頭の中で松島から因の島まで船で旅行もすれば、別府から中禅寺湖まで汽車旅行もする。

彼は壁に貼った新聞紙の広告を読んでいては、そこに大きな島の形を発見したり、日本アルプスの槍ヶ嶽から、穂高、野口五郎の連峰を眼に浮べるのである。彼賀川市長は強度の不時症乱視患者である。彼はよく美人に注意して顔の研究をするが、彼の眼に映る美人は時折、鼻が欠けていたり、両眼が飛んでいたり、額のところに、すぐ顎がくっついていたりする。彼が新聞紙の広告の中の日本アルプスの連峰を思い浮べるというのも、この辺に深い心理があるのである。何が幸いとなるやら実際わからぬものである。

とにかく、彼は煤けた木目に、破れた障子に、壊れかかった襖に、大自然の驚異を発見する不思議な眼を持っているのであって、太閤さんといえどもこんな不思議な眼は持っていなかったものである。

彼がかくのごとく二畳敷御殿の伏魔殿(?)に生の悦楽を貪っている間に、路次を挟んだ両側の長屋には実に人類社会にあり得ざる悲劇を見るのであった。