후리가나로 읽는 일본 고전
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
菊池 寛의 貞操問答(ていそうもんどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,240자 · 399화면
新子は、美沢と交際ってから一年以上になるが、その間に美沢の欠点も美点も、すっかりのみ込んでいた。美沢が芸術至上で、自分の芸の完成にどんどん邁進して行くところは好きだった。金は無くても、芸術貴族として、世俗に対し、気むずかしそうに、眉をひそめているところなど好きであった。しかし、それでいて彼女の現実的な考え方から、時々美沢に、「ヴァイオリニストで、ちゃんと一家を持って行っている人は、日本に何人いるのかしら。」など云って、美沢をいやがらせていた。
実生活でも、美沢は質屋へ行った話をしながら、時に驚くほど高価なネクタイをかけていたり、趣味のいいステッキなどを持っていた。
貧乏でも、貧乏たらしくないところなど好きであったが、しかし結婚すべき良人としての美沢を考えると、前途は遼遠としていた。
どちらかに、馬車馬のように猛進する情熱のない限り、金のないインテリ階級にとって、結婚難は現代の宿命の一つだった。
だから、二人とも結婚について語ったり、愛について語ったことはなかった。しかし、二人の間は美しいひもに結ばれているように遠慮のない交際ぶりから、ちょっといさかいをしても、一週間も経てば、元通りになり、しばらく手紙も書かず、会いもしないでも、常にお互に快く思い起していた。