후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
三上 於菟吉의 雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 344,083자 · 673화면
「これは、心得のためにいい置くだけだが、彼の門倉平馬は、この頃、土部駿河守の屋敷に、出稽古にまいっておる。それだけは心に止めて置いてよいだろう」
土部駿河守というのは、大身旗本で、名は繁右衛門。浜川、横山などが代官又は、手付役人として長崎に在任、雪之丞の父親を籠絡して、不義の富を重ねていた頃、最高級の長崎奉行の重職を占め、本地の他に、役高千石、役料四千四百俵、役金三千両という高い給料を幕府から受けながら、猶且慊らず、部下の不正行為を煽動して、ますます松浦屋を窮地に落させた、いわば涜職事件の首魁といってもいい人物なのであった。
この人間には、不思議な病癖があって、骨董珍器、珠玉の類を蒐集するためには、どのような不徳不義をも、甘んじて行おうとする気性、松浦屋の手から召し上げた珍品だけでも、数万両の額に上ると言われていた。
それが今では、隠居して家督を、伜繁助に譲り、末娘が将軍の閨房の一隅に寵を得、世ばなれた身ながら、隠然として権力を、江都に張っていたのであった。
「ははあ、さようでござりますか、――それは何よりのことでござりますなあ」
と、雪之丞は、兄弟子が出世の緒口を、首尾よく掴み得たのを喜ぶというような、極く気軽な挨拶で受けた。