후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
三上 於菟吉의 雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 344,083자 · 673화면
四
四
片褄をはしょって、吹き流しの手拭を銜えるように、暴動市民の群から少しはなれて佇んだ雪之丞――
じっと、みつめる目の前では、市民どもが、かがんでは小石を拾い、拾っては、十間間口、大戸前の表の戸を、すっかり下ろして、灯という灯を、ことごとく消してしまった、米問屋に向って、バラバラと投うりつけ、すさまじい憎悪の叫喚をつづけている。
「出ろやい! 長崎屋! 人鬼! 生血吸い! 出ろやい!」
「手めえに、ひと言いってやらねえことにゃあ、ここをどくおれッちじゃあねえぞ!」
すると、一人の指導者格が、煮しめたような手拭を、すっとこ冠り、素肌の片肌脱ぎ、棒千切れを、采配のように振り立てて、
「やい! みんな! うしろへまわれ! 石をほうっていても仕方がねえ! うしろの米庫をたたきこわせ! 米庫は板がこいに、屋根がしてあるだけだ――たたきこわして、ふんだんに頂戴しろ! 長崎屋さんは、今まで儲けたお礼に、おめえたちに、いくらでも、拾っていけっておっしゃってるぜ!」
「わあい! 米庫だ! 米庫だ! 米を貰え! 米を貰え!」
叫び、わめきつつ、指導者の棒千切れのゆび示すままに、群集は、建ちつづいた、蔵の方へ走ってゆく。