후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
三上 於菟吉의 雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 344,083자 · 673화면
て広海屋と心を合せ、松浦屋を破滅へみちびいた三郎兵衛――今は、長崎屋と名乗って、越前堀とやらの近所に、立派な海産問屋をいとなんでいるそうな――いわば、一ばん、悪だくみの深い奴――よう、見覚えて置きなさるがいいぞ」
「では、右のが、代官浜川、左が、横山――」
と、雪之丞は喘ぐように、繰り返して、
「――あの町人体が、三郎兵衛手代――」
「そうじゃそうじゃ、今度の幕に、卒のう見て置いたがよいぞ」
その時、もう、二人とも、次の中幕、所作ごとの支度をいそがねばならなかったので、めいめい鏡に向う外はなかった。
雪之丞は、夢の場での、優雅な官女の顔を作りながら、ともすれば、心のけんが、外にあらわれるのを、いかに隠すべきかに骨を折るのだった。
――わしは、舞台に出るまえに、何も思うてはならぬのだ。心を平らに、狂言の人に、なりおおせねばならぬのじゃ。それを忘れるゆえに、こうも、顔が怖くなる――
と、そう自分を叱りながら、にもかかわらず、つい、そのあとから、胸の中にくりかえさぬわけに行かぬのが、父親の、あの、奇怪悽惨な、遺書だった。
口惜しや、口惜しや、焦熱地獄の苦しみ、生きていがたい。