후리가나로 읽는 일본 고전
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
吉川 英治의 黒田如水(くろだじょすい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 163,639자 · 325화면
実に、戦況の相貌は、不測複雑である。
離反常なし、という戦乱下の人心は、いまや遺憾なく、その浮動性を露呈して、
(毛利に拠るが利か。織田に属すが勝か)
を見くらべて、朝に就き、夕べに去り、ほとんど、逆睹し難いものがあった。
備前、播磨の国境から、毛利軍が引揚げを行うとともに現われたものが、浮田直家の裏切りだった。
彼が、備前一国をあげて、毛利家を去り、織田家へ就いたということは、これは由々しい戦局の変化であり、織田家にとっては画期的な好転といっていい。信忠と、信忠に従う諸将は、この有利な新情勢を土産として、一応の凱旋をなしたものであるが、何ぞはからん、これを実現させた者は黒田官兵衛の足と舌であった。
もちろん主人秀吉も同意の上ではあり、竹中半兵衛の頭脳も多分に働いた上の主従一体の力ではあるが、それを動かすにもっぱら足を運び舌を用い、生命を敵地にさらして、何度も密使行の危険を潜っていたものは、官兵衛であったのである。
浮田の家中に、よい手蔓もあった。直家の家臣の花房助兵衛とよぶ者である。これはいわゆる「話せる男」で、たちまち官兵衛と意気相照らし、紛々たる藩中の異論を排しのけて、主人直家に織田随身の決意をなさしめてしまったのである。