후리가나로 읽는 일본 고전
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
吉川 英治의 黒田如水(くろだじょすい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 163,639자 · 325화면
蛍の声
一
いうまでもなくこの女性は荒木村重の側室であった。
蛍の声
一
お菊は室殿のお気にかなった。日のたつに従って、親しくことばもかけたり、側近くおいて何かと、気がるに身廻りの用もいいつけた。
「おまえは、どこのお産れかえ」
「あの。……この近くでございます」
「では、都かえ」
「いいえ。あの、浪華でございます」
「大坂」
「ええ。……はい」
彼女は、室殿から、訊かれそうなことを、つねに心で用意していた。けれど、答えるときになると、いつも矢張りしどろになった。室殿はそれをまた、世馴れない、奉公馴れない、彼女の良さとでも見ているように、ときにはわざと、からかったりするのであった。
「そなたは、伊丹家の縁故とかいうが、そうなのかえ」
「はい」
「ではあの、やがてご家中に、伊丹亘の嫁御寮にでもなるのであろ」
「ま。あんなことを」
彼女はわけもなく赧くなった――こういう思いも寄らないことを訊ねるお方なので油断もすきもならない。お菊はすこしも気が休まらなかった。
けれど、日が経つままに、また馴れ親しむにつれて、彼女は、問われる前に、問うことを覚えた。何か、徒然の話にでもなりそうになると、訊かれる先に、こちらからいろいろ室殿へたずねるのである。