轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よっつのみやこ
四つの都
織田 作之助
「映画評論 第一巻四号」1944(昭和19)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,005 字 · 62 页
葉子「あら、鳥が鳴いたわ」
十吉「鳴きたい奴は鳴かしとけ」
葉子(新吉を見つけて)「あら、新ちゃん!」
鶴三(も見て)「新坊じゃないか」
途端に、新吉が飛び込んで来る。
鶴三(レコードを止めて)「どうしたんだ今頃!」
新吉「…………」
おど/\している。
鶴三「なぜ帰って来たんだ」
葉子、はら/\している。
鶴三「仕事がいやで帰って来たのか」
新吉「うゝん、仕事は面白い」
鶴三「寄宿舎がいやなのか」
新吉「うゝん、寄宿舎かて面白い」
鶴三「じゃ、なぜ帰った? 言ってみろ」
新吉「………」
鶴三「言ってみろ」
新吉(思い切って)「昨夜、雨が降ったやろ?」
十吉、眼をキョロ/\させる。
十吉「降った」
変な顔をする。
新吉「寄宿舎で、雨がポト/\降ってるのん見てたら、家が恋しなったんや、お父っちゃんの傍で寝たいなァ思たんや」
小鳥、鳴く。
葉子「そんで、帰って来たの?」
新吉「うん」
鶴三「だれにも断らずに、汽車に乗ったのか?」
新吉、渋々頷く。
鶴三「莫迦ッ!」
始めて本気で怒った声を出す。
十吉「新坊の気持は判るんだが、然し……」
鶴三(十吉の言葉をうけて)「一日休めば一日増産が遅れる、お前が一日工場を休んだら、それだけ飛行機の増産が遅れるんだ、それ位の事は、お前が配ってた新聞にも書いてあったから知ってるだろう」