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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

その時、『最上』が、急に近づいてきた。

「なんだか変だぞ。」

マハン少将が、望遠鏡で見ると、信号旗があがっている。

「なに、なに、――A国艦隊司令長官に告ぐ。無用の戦闘を中止して、降伏せられよ。――ばかッ。おい、信号兵。信号旗を用意しろ。」

少将は、まっ赤になって怒った。しかし、信号兵は、悲しそうな顔をして、

「参謀長。本艦には、もう檣がありません。」

「じゃ、手旗信号だ。――昭和遊撃隊よ。汝こそ降伏せよ。――おい、早くやれ。」

「はッ。」

信号兵は、こわれた櫓へ上って、旗を振った。すると、『最上』は、またつぎの信号をあげた。

「武士の情を知らぬA艦隊よ。汝は全滅をしたいのか。」

この信号旗が下されると、まもなく、二十四本の大魚雷が、白い波の尾を引いて突進して来た。

「あッ。」マハン少将が、おびえた叫声をあげた時、魚雷の群は艦隊の後の方へつきこんで来た。

そして、耳の鼓膜がやぶれるような、すごい爆破の音がつづけさまに起り、一番後にいた殿艦『カムチャッカ』と六番艦の『ミゾリー』がわずか二分間で、かきけすように沈んでしまったのだ。

この二艦の煙がまだ海の上をたちこめている時に、『最上』