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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
恐しいフーラー博士
恐しいフーラー博士
昭和八年十二月三十一日、大晦日の夜も、博士と清君は遅くまで研究所に閉じこもっていた。
「おい、清、『最上』がすんだら、こんどは航空母艦『翔鶴』と潜水艦『富士』だぞ。この二隻が出来上ったら、米国海軍はお気の毒だが、もう日本に喧嘩を売らない方がいいね。」
武田博士は、机の上の設計図を睨みながら豪語した。
「そうですね。『富士』はすごいからなァ。こいつが出来たらきっと世界中の海軍が蒼くなりますよ。」
清君も頬を林檎のように赤くして興奮した。机の上には『極秘』の赤紙が貼られた怪潜水艦『富士』の青写真が、ものものしくひろげられている。
「『最上』なんかこいつにくらべたら、大したものじゃない。」
博士は唸るように低く叫んだ。
ああ潜水艦『富士』――それはどんなすばらしい戦闘力を持っているのだろうか。
「しかし、こいつをこしらえるのには一年かかる。その間に米国のフーラー博士が、黒鷲爆撃機を完成したらどうなるのだッ。――あの恐しい飛行機が出来たら、米国はきっと戦争をしかけて来るに違いないんだ。そしてわが海軍は大苦戦だぞ。――ああ、どうか一年間、戦争がないといいなァ、清。