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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
紅玉島の大要塞
青木大佐は、胸をなで下して、さっそく『千代田』へ返電を打った。その電信の言葉は、
「ありがとう。清君の介抱をたのむ。明日の夜、本隊は紅玉軍港金剛石砲台の沖へつく筈だ。痛快な砲撃をやって見せるぞ。汝(千代田)も早く来い!」
くらいくらい闇の空に、無線電信の青い火花がパチパチと散った。
ああ大波は沫を立てて狂っている。風はひゅうひゅうと叫んでいる。かどでの嵐だ。『八島』と『秋津洲』は、荒馬のように、敵の根拠地めがけて突進する。
はやいはやい。速力実に二十三ノット! 世界の潜水艦の中で、一番早い記録だ。しかも、潮の流に乗っているから、まるで矢のようにぐんぐん走る。
わが二隻の潜水巡洋艦は、見る見る闇の向うへ消えてしまった。――諸君よ。明日のはなばなしい奮戦が、まち遠しいではないか。
紅玉島の大要塞
さて、清君の容態やその後の巡洋艦『最上』や代さんのことなど、気がかりなことが多いが、その前にここらで敵情(敵のありさま)を探って見ようではないか。
『八島』と『秋津洲』がめざす紅玉島は、A国太平洋艦隊の根拠地である。
大きさはわが四国くらいの島で、熱帯の海に近いから、海岸の砂浜には、大王椰子の樹が、緑の葉をひろげている。