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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

地雷の伏兵

それが今朝、やっと出来上ったのだ。

長岡液の霧は、露をふくんだ草や土をぬらし、林の松も、うっすらとぬれている。

さあ、来い。『ライオン』戦車よ。

わが軍は、立川中将の命令通り、ひっそりと、息をこらして、敵の侵入をまちかまえた。『昭和の楠木正成』とよばれる中将は、はたしてどんな計略を考えているのだろうか。

長岡液がすっかりまかれてしまった時、習志野を根拠地とするわが神風戦闘機二百機が、あかつきの空に、大編隊をつくってとび出した。

やがて、敵の隼爆撃隊と空の決戦がはじまるだろう。

海岸の一戦にわが守備隊を全滅させた『ライオン』戦車隊は、

「日本軍を一もみにもみ潰してしまえ。」

と、五百台が五つ六つの縦隊をつくって、無人の野を走るように進んで来る。

司令官フロスト少将は、その戦車の波の先頭に立って、「進め、進め。」と、全軍を指揮しているのだ。

地雷の伏兵

ライオン戦車隊はうなり声を立てながら、わが第一師団の陣地の前へおそいかかった。

「毒ガスを放射せよ。」

フロスト少将の司令車から拡声器で号令がかかった。五百輛のライオン戦車は、走りながら毒ガス砲をわが陣地へ向けた。