轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
『鬼の島』
がいない。『吉野』『千種』の姿も見えない!
かれ等はもう、すっかり艤装を終って、造船工場の手を離れ、呉にも、神戸にも、横須賀にも、長崎にもいないのだ。それだのに聯合艦隊の中に、その姿が発見できない! そんならどこにいるのだ?
僕はいよいよ『昭和遊撃隊』の秘密を、語らねばならなくなって来た。
『鬼の島』
ここは八丈島の南、小笠原島の北にあたる碧海島だ。全島絶壁がめぐっていて、まるで自然に出来た要塞のようである。
絶壁には千年の苔がむして、荒波のしぶきが花と散っている。そして信天翁の群が、しゃがれ声で鳴きながら、その上を飛んでいる。
島のまわりは、ものすごい海流だ。渦巻だ。まっ黒な潮が、ゴオーッゴオーッと音をたてて矢のように流れている。
もしも小さな発動機船なんかが、誤ってこの海流に乗ったらどうなるだろうか。たちまちキリッキリッと悲鳴のような音を立てて、船体がバラバラになり、船も人も、魔の渦巻の中に捲きこまれてしまうのだ。
だから小笠原や八丈島の漁師たちは昔から『鬼の島』とよんで、この島に近よらない。
ことに恐しいのは島の北にある水門だ。そこは百五十メートルもある高い高い絶壁が真ッ二つに割れて、ぽっかりと口をあけているのだ。