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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

夕ぐれは迫る

は、また、信号旗をかかげた。

「かさねてA国司令長官に告げる。すみやかに、降伏せよ。」

この時、太陽はもうだいぶ西にかたむいて、空には流れ雲が、まっ赤にそまっている。波はだんだん荒くなってくる。

空には信天翁、海には鮫の大群が、溺れた戦死者の肉をねらって、あとからあとからとあつまってくる。

「マハン君、しかたがない、わが艦隊は、負けたんだよ。」

ヤーネル大将は、さみしそうに夕やけの雲を見あげた。

「じゃ、降伏ですか。」

マハン少将は不服そうだ。

「敵は昭和遊撃隊だ。負けても恥じゃない。」

ヤーネル大将はマハンをしかりつけた。しかし、大将の眼も、涙でぬれている。

やがて、『ケンタッキー』に、白旗があげられた。五隻の戦艦は、速力をゆるめて、いまはただ、波のまにまに、夕の海を、ただようのである。

夕ぐれは迫る

ああ、日本は勝った。日本海軍は勝った。名将末山大将は戦死し、艦隊の半分は、太平洋の波の底へ沈んだけれど、苦戦のかいがあって、敵はいま、白旗をかかげているのだ。ヤーネル大将が降伏したのだ。見よ。しょんぼりと力なく、うなだれた敵艦の姿を。

遊撃隊三千の勇士は、なんだか、瞼のうらがあつくなってくるのを感じた。