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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页
南洋の快男子
……救うことの出来ぬ……を……残念……思う。最後まで……勇……なれ。……荒鷲第一号」
ああ、敵の贈りものだ。かれ等にも、また、かれ等らしい武士道があったのか。
清君は、なんだか瞼が熱くなって来るのを感じた。
瞳を上げると、もう『荒鷲』は、くろ雲の向うへ飛んでゆく。プロペラの音が、だんだんかすかに遠のいてゆく。
「フーラー博士。あなたは僕の兄さんの敵として、決して恥ずかしくない人です。」
清君は、雨と涙で頬をぬらしながら、叫んだ。
――やがて、日はすっかり暮れた。雨はいよいよひどく降って来る。
恐しい、さみしい闇の中で、清君は救命袋にすがりついたまま、いずくともなく流されてゆくのであった。
鱶の棲む恐しい海。南洋に近いとはいえ、夜の波はつめたい。……いやないやな死神の手が、わが清君をつかむのではないだろうか?
南洋の快男子
清君は夜の海のどこかへ消えてしまった。
ここで僕は、しばらく少年の行方をさがすことを止めて、ずっと南の、ボルネオ群島の北のはしにあるナツナ島のことを話さなければならない。
ナツナ島。この島は黒潮に洗われる緑の火山島だ。大きな椰子の木が島一ぱいに生えていて、谷間からはつめたい清水がこんこんとわいている。