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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

国のために死ぬる者はとうとい。

「かわいそうだなあ。」

清少年は、沈んで行く敵艦に、不動の姿勢をとって、敬礼を送った。

北浦少佐は、波にただよう敵兵を見て、「たすけてやれ。」と『救助』の号令を下した。

しかし、波が荒い。夕日が沈んで、海がくらくなりかけた。敵兵はみるみる波にのまれてしまう。空には信天翁がくちばしを尖らして、死人の肉をつつこうとしている。

『千代田』は、いろいろと苦心したが、とうとう五人しか救うことが出来なかった。

その敵の中に、一人の士官がいた。するどい眼をしている。腕に傷して、血がたらたら流れている。

「おお、君は、オーガン大佐じゃないか。」

北浦少佐は、その男の顔をじっと見た。敵の士官も、じっと少佐の顔を見た。

「ああ、君は北浦大尉か? 末山大将の副官だったね。」

「そうだよ。去年の暮に少佐になったよ。」

「それは、おめでとう。とうとう戦場で出あったね。僕は君の捕虜になってうれしいよ。」

「うん、君らしく勇敢に戦ったな。敵ながら感心したぞ。つかれただろう。どうだい、葡萄酒をやろうか?」

北浦少佐は、なつかしそうに、オーガン大佐の肩をたたいた。