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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

「少年倶楽部」1934(昭和9)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 页

青空文庫

しかし蔚山海戦は、巡洋艦と巡洋艦との戦いだったのだ。

世界大戦のはじめ、太平洋をあばれまわったドイツのスペー巡洋艦隊も強かったが、ホークランド島の沖で、英国戦艦と戦って、全滅した。

しかし、わが昭和遊撃隊は、この太平洋鳥島の沖で、A国戦艦隊にとどめを刺そうとしているのだ。

見よ。とうとう『荒鷲』が頭の上へ来た。遊撃隊は復讐されるかもしれない。だが、その大きな手柄と、勇ましい奮戦ぶりは、永遠に世界の歴史にのこされるだろう。

「敵艦隊全滅に近し。死力をつくして『荒鷲』と決戦せよ。」

木下大佐は、決死の信号灯をかかげた。探照灯が、黒雲の中に、『荒鷲』の姿をてらし出した。全艦隊の高角砲が、一度に火ぶたを切った。

しかし、駄目だ。『荒鷲』は、びくともしない。砲弾の破裂する雲の間に、ゆうゆうとうかんでいる。そして、発火信号で、

「遊撃隊よ。わが『荒鷲』の装甲は、本多鋼鉄より、もっと強いぞ。」

と、からかうのだ。

※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、不吉な、恐しい感じがして、なんだか胸さわぎがしてならない。

『荒鷲』は、おびやかすように、低く低く下りて来た。